ニュージーランドで9月1日から、生後6カ月から5歳の誕生日を迎えるまでの子ども、およそ26万人超が、公費負担(無料)のインフルエンザワクチンの対象となった。デイビッド・シーモア保健担当副大臣とシメオン・ブラウン保健相が同日午前、ウェリントンのプランケット(母子保健団体)で発表した。医薬品購入機関ファーマックは先週、この年齢層への助成を2027年から始めると公表したが、患者団体などから「遅すぎる」との声が上がり、国内在庫の緊急点検で十分な量を確保できると判断したため、開始を前倒しした。
ブラウン保健相は、NZが「この10年で最悪のインフルエンザ流行」に直面していると説明した。冬季の入院患者数自体は例年と大きく変わらないものの、シーズンを通じて分散せず一時期に集中して押し寄せている点が、病院や医療体制への負担になっているという。相は「幼い子どもは多くの人が思う以上にインフルエンザで重症化しやすく、入院に至る確率も高い。特に最も幼い乳児のリスクが大きい」と指摘。保育所で子どもがもらってきて数日で家族全員に広がり、親が仕事を休んで看病したり自らも感染したりする連鎖が、救急外来や小児病棟の逼迫につながると述べた。
シーモア副大臣は「今日みなさんが目にしているのは、機動的に動き、国民の需要に応えられるファーマックの姿だ」と述べ、2年前なら「シャッターを下ろして『決めるのはこちらだ』と言っていた」と従来の姿勢を批判。プランケットや王立一般医(GP)協会と連携し、急増するインフルエンザのデータに対応したとした。ヘルスNZ(保健省)は接種の実施と、対象を広く周知するための費用を配分する。当局は「インフルエンザは冬が終わっても止まらない」として、まだ接種していない幼い子を持つ家庭に、かかりつけのGPや薬局へ相談するよう呼びかけている。今季は年齢や民族を問わず接種を促す大規模な広告キャンペーンが数カ月にわたり続けられてきた。
