ニュージーランドで今年3月に3Gネットワークが停止されて以降、農村部で携帯電話がつながりにくくなったとの声が相次いでいる。全国農業者連盟(フェデレーテッド・ファーマーズ)が8月末から9月初めにかけて約650人の農家を対象に行った調査では、農場の半数で、敷地の半分未満でしか携帯電波が届かないという結果が出た。
特に深刻なのは緊急通報だ。農家の約3分の2が、敷地の大半で111番(緊急通報)に確実につながらないと回答し、8%は敷地内のどこからも緊急サービスに接続できないとした。また3分の1の農家は、3Gでは使えた場所が今は使えなくなったと答えている。3分の2は衛星通信などの対策に自費を投じ、灌漑制御や牛の首輪センサーなど3G依存の機器の交換に数千ドルをかけた例もある。ある農家は、電波が弱く2時間ごとのスタッフ確認ができず、労働安全監査に不合格となった。
連盟のマーク・フーパー氏は「3G停止後も農村部は影響を受けないという通信会社の説明は成り立たなかった」と述べ、通信各社と緊急協議を行っている。一方、通信業界団体のポール・ブリスレン氏は、これまで3Gで使えた場所は4Gでも使えるはずで、商務委員会の調査でも4Gの範囲は3Gのピーク時より広がっているとして、停波が原因かどうかは調査が必要だと反論した。同氏は111番につながらないのは「あってはならない」とし、農家に通信会社への報告を促している。農村連携グループは政府と協力して600基超の基地局を整備しており、衛星との直接通話の普及も見込まれるが、当面の安全確保が課題となっている。
