ニコラ・ウィリス財務相らは今週、確定拠出年金「KiwiSaver(キウイセーバー)」の初回住宅引き出しルールを見直す「KiwiSaver(初めての家または農場)改正案」を国会に提出した。雇用主が用意した住居に住み込みで働く農業労働者や地方の教員、地方勤務の警察官、国防関係者らが、これまで事実上使えなかった初回引き出しを利用できるようにするのが柱だ。
現行制度では、初めて住宅を買う人がKiwiSaverの積立金を頭金などに引き出せるが、「購入した物件に自分が住むこと」が条件になっている。仕事の都合で雇用主の住宅に住まざるを得ない人はこの条件を満たせず、自分の老後資金でありながら引き出せない状態が続いていた。改正案は、本人が過半数を所有・支配する会社や信託、パートナーシップを通じて農場を購入する場合も、そこが本人の主たる住居であれば引き出しを認める。担当閣僚は「10年間、他人の牛を搾って必死に貯めてきた若い夫婦が、名義という技術的な理由で自分のKiwiSaverから締め出されてきた。公正でも賢明でもない」と述べた。
「仕事に住まいが付いてくるからといって、自分の貯蓄から締め出されるべきではない」とウィリス財務相は語る。制度変更は国民党のスーゼ・レドメイン議員(ランギティケイ選出)の議員立法が発端となった。ただ所管のビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)は、変更が確たる証拠ではなく農業団体の陳情や個別の逸話に依拠して進んだ面があると報告しており、対象を農業にどこまで絞るか(林業用地の扱いなど)を巡って運用面の課題も残る。改正案は今後、委員会審議に進む。
