ニュージーランドは11月7日の総選挙に向けて選挙戦が本格化している。最大の争点は税制だ。与党・国民党のクリストファー・ラクソン首相とニコラ・ウィリス財務相は、宿泊税や銀行課税の検討をわずか2週間で撤回し、再選されても「新たな税は一切導入しない」と明言。キャピタルゲイン税、資産税、相続税などを重ねて否定した。
これに対し労働党のクリス・ヒプキンス党首は、住宅・商業用不動産を対象に家族の住宅と農地を除外した税率28%の限定的なキャピタルゲイン税を公約に掲げ、税収で年3回までの無料GP受診を実現すると訴える。労働党は「国民党は歳出削減の中身を語らないまま増税否定を求めている」と批判した。オークランドやクイーンズタウンの市長は、地域協定で合意していた宿泊税検討の撤回に反発。連立を組むNZファーストのウィンストン・ピーターズ党首は「合意は合意だ」と宿泊税は今も政府方針だと述べ、閣内の足並みの乱れも露呈した。
世論調査では新党「オポチュニティー」が8%に急伸し、初の議会入りをうかがう一方、NZファーストは支持を落としている。マオリ選挙区も焦点で、2023年に7議席中6議席を制したマオリ党に対し、労働党が「全力で奪回する」と宣言。テ・タイ・トケラウなどでは4人が争う混戦となっている。労働党は8月29日、マオリ主導の職業訓練に年2100万ドルを投じる公約も発表した。
